Project Story
東京ガス日立LNG基地

自然環境のなかで
チームの総合力が求められた
天然ガスの需要を支えるプラント工事

場所
茨城県・日立市
プロジェクト名
東京ガス日立LNG基地
地上式LNGタンク建設工事
事業カテゴリ
産業設備
施工日
2012.07 ~ 2016.03
Facility

東京ガス日立LNG基地

「東京ガス日立LNG基地」は、東京ガスとして初めて東京湾外に建設したLNG基地。高圧ガスパイプライン「茨城~栃木幹線」の一環として敷設され、天然ガスの供給インフラとして稼働しています。

Member

工事課長加賀 勝

天然ガスのプラント建設などを担当。近年では「LNG基地」の建設需要に応じて全国津々浦々の現場を担当。新潟県上越市の「国際石油開発帝石株式会社 直江津LNG基地」の配管設備にも携わる。

Data
発注者
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
請け負い
IHI・鹿島建設共同企業体
用途
敷地面積:約10.4万m2 、受入設備 :LNG・LPG受入バース、内航船出荷バース、LNGタンク:23万kl(地上式)1基 、LPGタンク:5万kl(地上式)1基 、LNG気化設備:オープンラック式 3基

Mission
常に海風にさらされる
環境での防錆加工

「東京ガス日立LNG基地」は、東京ガスグループが2020年に向けた天然ガスの需要増加を見込んで建設されたものです。現在、東京ガスグループは「チャレンジ2020ビジョン」において「LNGバリューチェーンの高度化」を掲げており、「エネルギーの安全かつ安定的な供給」を推進しています。そのプロジェクトの一環として、既存の「鹿島臨海ライン」(茨城県神栖市)と今後建設を目指す「茨城幹線」を接続。関東全域のエネルギーセキュリティを向上させるとともに、より安定した供給体制を目指しています。
今回建設された「東京ガス日立LNG基地」は、高圧ガスパイプライン「茨城~栃木幹線」の一部として東京ガス初の東京湾外に建設されたLNG基地となり、世界最大級の23万キロリットルを貯蔵する施設となっています。新田菅工では、「東京ガス日立LNG基地」の沖合に停泊するタンカーから、タンクまでの配管設備を担当し、海上から陸地までおよそ500メートルに及ぶ敷設工事を行いました。波と風のある海の上での作業ということもあり、安全性や工期はもちろん、自然との戦いにも挑むプロジェクトとなりました。

安定した防錆溶接技術が求められる

「東京ガス日立LNG基地」は、茨城港日立港区内に建設されています。常に海風にさらされる環境での配管設備となるため、ステンレス製の配管が用いられるのですが、この配管同士を溶接する際に、管の内側をアルゴンガスなどの不活性ガスで保護する「バックシールド」と呼ばれる手法を用います。これは配管内側の酸化防止に役立つのですが、高度な技術力が求められるため、大規模な敷設では品質の安定やスケジュールの管理も重要になります。

安定して高い施工クオリティを維持する

今回はおよそ一年半のプロジェクトとなりました。難易度の高い施工は、同じクオリティを安定して維持することがもっとも重要です。新田菅工では、様々なプラント建設の経験を生かすことで無理の少ない計画を立てることが可能になっています。他の現場での施工事例や課題となった点を共有し、常にプロセスを見直す。そして必要なアップデートを図ることで、同じような課題を回避でき、解決策も共有することができます。現場で起きたことは、1回の経験をみんなに共有することで、初めて技術として生きると考えています。

Challenge
海上での敷設は
自然との戦い

外洋からLNG(天然液化ガス)を運んで来るタンカーが到着するのは、陸地からおよそ500メートル離れた沖合になります。今回の施工で最大の難所だったのは、この陸地から船着場までの配管を海上で据付ける工事でした。この海上での配管敷設は、船着場と陸地の貯蔵施設を結ぶ桟橋の施工工事も兼ねているため、全体が繋がるまでは移動にも船を使うことになります。綿密なスケジュールや計画を立てるにしても天候や自然環境との兼ね合いを想定しきることは難しく、私たちにとっても初めての試みでした。
とはいえ、タンカーの運航スケジュールは決まっているため、運用テストまでに間にあわせることが大前提。そのうえ、読めない天気と安全なスケジュール管理を行うことは、スタッフ全体でプロジェクトを進行させる良い経験になりました。チーム全員が各所に目配りし、神経を向けることで無駄をなくし、効率と安全性の高いプロジェクト進行を行うことができたのではないかと思っています。

新たな経験となる現場での挑戦

さらに、我々の事務所から船着場まではおよそ1キロメートルにおよび、1日で4回往復すると8キロメートルの移動になってしまいます。事前に効率を徹底的に考えて動かなければ、労力だけでなく時間も無駄になります。前日には次の日の動きをチームで共有し、無駄をなくせるところがないか話し合いました。私たちは様々な現場を経験することで、こうした小さなロスの積み重ねが全体のクオリティを圧迫することを知っています。ですから、チーム全員がお互いの動きをきちんと計算してプロジェクトの進行にあたりました。無駄を省くことで品質が引き締まり、安全へ繋がっていくと信じています。

効率の追求が品質にも直結する

さらに、我々の事務所から船着場まではおよそ1キロメートルにおよび、1日で4回往復すると8キロメートルの移動になってしまいます。事前に効率を徹底的に考えて動かなければ、労力だけでなく時間も無駄になります。前日には次の日の動きをチームで共有し、無駄をなくせるところがないか話し合いました。私たちは様々な現場を経験することで、こうした小さなロスの積み重ねが全体のクオリティを圧迫することを知っています。ですから、チーム全員がお互いの動きをきちんと計算してプロジェクトの進行にあたりました。無駄を省くことで品質が引き締まり、安全へ繋がっていくと信じています。

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